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いつまでも根強い人気ー知的トレーニングの技術

花村 太郎著、知的トレーニングの技術〔完全独習版〕はいつまでも人気がある一冊である。まごうことなき名著であろう。

 

紹介されるテクニックは、王道モノで激しく頷くものばかり。既視感を強く感じるのは、それもそのはず、30年以上も前に書かれたものだから。そして、本書自身が、ニーチェやボルヘス、フッサールといった巨人たちの手法をエッセンスのように取り込んでいるから。この一冊の背後に沢山の本があることが、よく分かる。本書の「種」があちこちに蒔かれ、そこからさまざまな知的活動が発生し、一定の成果を上げ、後進のためにとノウハウ本(今風ならライフハック)が書かれ……といったサイクルの中で、どこかでわたしも読んだのだろう。

(中略)

いまシェイクスピアを読んだら、あまりの陳腐な言い回しに辟易するだろう。が、その「どこかで聞いたことのある感」のオリジンと向かい合っている。本書のどこを読んでも、そんな既読感に迫られる。

名著はその後、多大な影響を与える。その影響を受け続けたあとに原典を読んでみると、使い古された印象を受けてしまうことがある。上記エントリでは、それをアキラ効果と読んでいる。

PVのために、こぞってライフハック単位に切り刻むブロゴスフィアはこの流れを加速させるのだろう。ただ、ライフハックでは感じることができない価値が原典にはあるので、同じ時間をかけるなら原典に書けたいものである。

関連リンク

知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)

知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)