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ネットはロングテールではなくブロックバスターだった、というお話

クリス・アンダーソンが提唱したロングテールは、多くのひとに知られている。原著を読んでいるかは別にして。

ロングテールというキーワードの存在によって、ニッチを狙う戦略は問答無用で善であると捉えられている側面があったが、本記事はそれは間違いであると指摘する。

 

記事ではデジタルミュージックの引き合いにだしている。

上位のわずかな曲が販売数のかなりの割合に貢献し、下位の多くの曲がほとんど貢献していないことが見て取れて愕然とする。

これが、デジタル市場の現実だ。品揃えはどんどん増えるかもしれないが、最上位のごく少数の曲の重要性が高まる一方なのに対して、最下位の曲の平均販売数は低下していく。

 オンラインは寡占傾向が強まる傾向にあるというデータである。これはアメリカのデジタル音楽だが、他でも同様かもしれない。日本のKindleを見ても売れ筋アイテムは固定化されている感がある。

 

ロングテール信奉者だった、Googleのエリック・シュミットも下のように述べているらしい。

「われわれはロングテールを気に入っているが、わが社の収益のほとんどはヘッドからあがる」「インターネットはむしろ、これまで以上に大がかりなブロックバスターやブランドの集中化を招くことになるだろう。人がたくさん集まれば、やはりスーパースターが欲しくなるものだ。今の時代、スーパースターは米国にとどまらず、世界のスーパースターになる。つまり、世界的なブランド、世界的な企業、世界的なスポーツ選手、世界的な有名人ということだ」 

 国境を超えて寡占が進むということだ。

そういえば最近、テイラー・スウィフトの今年の日給は1億2,000万円になっている事が報じられていた。

テイラー・スウィフト、今年の日給は1億2,000万円! - シネマトゥデイ

ロングテールが束になってもかなわないだろう。

 

全般的に見て、デジタル技術の進歩は一見、ニッチ・コンテンツの影響力が高まるかに思えるが、現実には正反対の力をもつ傾向がある。かえって、一極集中化と独り勝ちの力学を助長するのだ。 

 なんとも夢のない話であるが、現実だから仕方がない。

 

ブロックバスター戦略―ハーバードで教えているメガヒットの法則

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